第一章   「冷え」こそ万病の原因 その2 
          --- 驚くべき実証、身体を温める治療効果 ---
  
 (9) 「冷え」が水毒(目まい、耳鳴り、心不全・・)になっていく!

 内耳の中の水分過剰が目まいをおこす

 冷えると、体内の各臓器の代謝が悪くなります。 とうに腎臓の機能が低下すると尿の排泄が悪くなり、体内に水分が貯留
します。 水は身体、生命にとって、最も大切なものですが、多すぎると種々の障害を起こします。
 むくみ(浮腫ふしゅ)は皮下組織に水が貯留した状態ですが、これは、体内のどこにでも水分が多すぎることをあらわしています。

 心臓の力が落ちた状態(心不全)の一番目の症状がむくみですが、逆もまた真で、体内のむくみがあると心臓の負担が増加し、心不全の原因となります。 血液中の水分が多くなると、心臓としてはより多くの血液を送り出さないといけないので血圧が高くなります。 高血圧症の患者に現代医学でも利尿剤を投与するのはこのためです。

 目まい、吐き気、頭痛などをともなう病気を一括してメニエル症候群といいますが、これも漢方的には「水毒=冷え」ととらえます。 耳の奥のほうに内耳という部分があり、そこはリンパ液で満たされており、ここでへ平衡感覚がつかさどられています。冷えた場合や、冷え性の人の内耳のリンパ液は水分のために多くなっています。 そのため、わずかな身体の揺れでも大きく揺れたように反応し、目まいを起こすことになるのです。
 こういう状態は、水泳中に耳の中に水が入り、耳閉感やみ耳鳴りが生じる現象と同じと考えていいでしょう。
 また、こうした体質の人は、内耳のリンパ液のみならず、体内のくぼみや袋になっている箇所に、やはり水分が多くなっています。 たとえば、胃袋にも当然、多量にたまっているので身体に揺れの感覚がおきれば、船酔いのときのように吐き気を起こすと考えていいでしょう。 つまり、嘔吐して余分な水分を体外に排泄し、病気を治そうとしているわけです。

 先日、小・中学校の先生が、「最近車酔いする子どもが多くなった」と嘆いていましたが、これも子どもたちの体質の陰性化で胃袋の中の水滞(すいたい)が大きな原因でしょう。

そのはか、とくに心臓病でもないのに突然的におこる頻脈(ひんみゃく)や不整脈も、漢方では「水毒」ととらえます。 つまり一過性に心臓に負担がかかった時におこるのですが、こうした症状は、やたらに水分を多くとる人におこりがちな症状です。

 二日酔いはアルコールより「水毒」が原因

 「水毒」といえば、忘れてはいけない症状があります。 二日酔いのときは、むくみ、下痢、偏頭痛、腹痛、吐き気などの症状がありますが、これは「水毒」そのものの症状です。 漢方で、二日酔いはアルコールが原因ではなく、水分が原因と考えるのはこのためです。

 宴席などに出席しお酒を飲まなくてはならないときなどは、宴席の前にサウナに入り事前に汗を沢山かくのです。
 5分から10分入り汗をかくだけで、お酒を飲んでも不思議と酔いません。

 漢方の五苓散(ごれいさん)という薬は五つの生薬でできており、そのうち四つまでが朮(じゅつ)、茯苓(ぶくりょう)、猪苓(ちょれい)、沢瀉(たくしゃ)といった水分の排泄をよくする生薬(水剤=利尿剤)です。
 五苓散こそ二日酔いの妙薬であり、むくみ、下痢、頭痛、はくけ、目まい、耳鳴りに神効を発揮する薬なのです。

 (10) 手足のほてりは「冷え」のサインだ!

 瘀血(おけつ)は下半身の「冷え」が根本原因

 冷えると当然ですが、血行が悪くなります。 とくに静脈の血行不順の状態を漢方では「瘀血」、または「血の道症(みちしょう)」といい、こうなると肩こり、頭痛、目まい、耳鳴り、動悸(ドキドキ)、息切れ、神経痛、生理痛、痔、出血(あざ、鼻血など)、静脈瘤などの症状を呈しやすくなります。
 手のひらが赤い(手掌紅斑しゅしょうこうはん)、顔や胸部の皮膚に毛細血管が浮き出る(くも状血管腫)、顔色が紫がかった赤色をしている、などが瘀血のある人の症状です。 瘀血は女性に圧倒的に多い症状ですが、これは、下半身の冷えが大きな原因で起こります。 なぜそうなるのでしょう。
 よく「頭寒足熱」が健康にとって一番望ましい状態と言われますが、身体が冷えると全く逆、すなわち「頭熱足寒」になっていることが多いようです。

 漢方では、ヘソは身体の中心にあると考えますが、頭熱足寒になるとヘソから下が冷えるため、本来下半身に行くべき熱が上半身に上り、顔はほてるというような症状が起こります。
 このときは、下の方から熱、気、血液などが上に向かっていくので、イライラ、ドキドキ、発汗、発疹、口内炎、せき、のどの詰まった感じ、高血圧(とくに最低血圧が高い)、便秘などのようにしたから上へ突き上がる性質を持つ諸症状がおこります。
 これは、「昇症(しょうしょう)」との一言で片付けますが、一見のぼせのようなこの症状も「冷え」が根本原因にあるのです。
 こうした昇症は女性に多いようです。
 そのため下に行く作用である排便、排尿、生理など(これらは降症)がスムーズに行かなくなるのです。
 また、年配の人が手足がほてると訴えることがよくありますが、これも冷えのサインです。
 体内の熱が身体の表面に逃げてきてるわけで、本当は身体の中は冷えているのです。
 こうしたほてりを感じる人も、身体を温める手段を講じる必要があるでしょう。



 (11) 生理不順・生理痛や婦人病もヘソから下の「冷え」が原因

 ヘソの上下で冷たさが明らかにちがっていないか

 漢方的診察では、腹診を重視します。
 漢方では「お腹」のことを「お中」と書き、文字通り体の中心と考えます。 よってお腹以外の病気でも「お中」で診断するのですが、腹診の時ほとんど例外なく、女性のお腹はヘソに横一線でも引いてあるように、ヘソから下はヘソから上より明らかに冷たいことがわかります。 つまり、ヘソから下の血行が悪いのです。
 血液の中には、栄養素や酸素、水のほか免疫物質や白血球が含まれているので、冷たいところは血行が悪いことを意味し、病気が起こりやすいわけです。
 ヘソから下の腹部には、女性特有の子宮、卵巣が存在します。 卵巣への血行が悪くなると、卵巣で生産される「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの女性ホルモンの産生が悪くなり、卵巣機能が低下します。 子宮への血行が悪くなっても同様です。
 そのため「冷えている」女性には生理不順、整理痛、子宮筋腫、子宮ガン、卵巣のう腫などの婦人描画起こりやすくなるわけです。
 よって、その予防のためにも、よく歩き下半身の血行をよくする、腹巻をする、入浴後に浴室から出る前に今一度下腹部を温めてから出るなど、下半身(下腹部)を温める工夫をするといいわけです。
 不妊症の人も例外なく下腹部が冷えているので、同じ方法で下腹部を温めるといいでしょう。 こうした、下腹部を温めて血行をよくして瘀血を改善させ、婦人病や不妊症に効く漢方薬としては、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)です。

 (12) 鎮痛剤、解熱剤は身体を冷やす元凶

 身体が温かい人と冷たい人では薬が違う

 漢方薬以外の、一般で言う「クスリ」とは、すべて石油化学成分でつくられた薬品、つまり「化学薬品」です。
 そしてこれら全ての「化学薬品」は身体を冷やす作用があります。 その代表が解熱剤でしょう。 そのため、解熱剤を服用すると、ジンマシンや湿疹など身体から皮膚へ水気がでてくる症状が出たり、胃腸病(胃痛や下痢)をおこしたりすることは想像できますし、事実、大なり小なり起きることなのです。

 「冷え」から「痛み」を生じることはすでに説明しましたが、リウマチや神経痛などの痛みを鎮痛剤(痛み止め)で止めるような治療法は、愚の骨頂と言っても過言ではありません。
 なぜなら、鎮痛剤は必ず解熱作用を持っているからです。
 そのため、痛み止めを常用することは、ますます身体を冷やし痛みの原因を作っているようなものなのです。
 漢方では、リウマチや神経痛の痛みには桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)という身体を温める薬を使いますが、当然の理と言えるでしょう。
 よって、冷え性の人に化学薬品を用いるのは、よほど慎重にしないと副作用のほうが顕著に表れてくる傾向が強いのです。
 逆にずんぐり、むっくり、赤ら顔で高血圧であるといったような陽性体質(身体が温かい人)には、化学薬品がよく効くといえます。 そういう意味では、高血圧、痛風、体力の十分ある人の糖尿病、高熱の出る風邪など、体温が温かい人がかかる病気には、化学薬品は奏功することになります。

 (13) 硬くなる病気、ガンに潜む「冷え」の事実

 ガンを解明してゆくひとつの糸口

 いま、日本人の死因の1位は依然としてガンであり、毎年30万人くらいがガンによって命をおとしています。 日本人の毎年の死亡総数はやく100万人ですから、約3人に1人がガンで死んでいるわけです。
 国立がんセンターの総長が初代から五代までガンで亡くなっており、ガンは恐怖と死の代名詞で、原因不明の病気として長いあいだ恐れられてきました。

 しかし、日本型ガンとされた胃がんや子宮頸がんは、1960年以降減少傾向を示し、欧米人に多い肺がん、乳がん、大腸がん、前立腺がん、すい臓がんなどが増加してきました。 けれどこうした欧米型のガンは、昔から欧米人特有のものであったわけではなく、アメリカでは1910年以来、牛乳、乳製品、卵、肉類の接種が増加し、穀物やイモ類の摂取が減少するという食生活の変化とともに増加してきたのです。
 1960年以降の日本人のガンの欧米化も、全く同じ原因です。 つまり、戦後20~30年の間に自動車の増加、家電製品の普及などで人びとが運動不足に陥ったところへ、牛乳、乳製品、卵、肉類、油脂類などの欧米型食品が普及し摂取量が著しく増加し、逆にコメ、イモ、野菜など日本の伝統食が減ることによって、追う部位方ガンが増加したのです。 この傾向は今後も増え続けると思われます。

 このように、食生活の変化でガンの出来る部位が異なってくるということは、恐ろしい病気のガンを解明していくひとつの糸口になることでしょう。


 温める療法の驚くべき効果・・(ガンが小さくなったBさん)

 55歳の会社員Bさんは、人間ドックで肝臓に腫瘍が見つかりました。 CTスキャン(コンピューター断層撮影)、血管造影などの精密検査をしたところ、原発性肝臓ガンと判明し、大学病院で手術になり開腹したところ手のつけられない状態で、医師団は何もできずそのまま腹壁を閉じてしまいました。 本人は、患部は除去してもらったものと思っているのですが、奥さんには医師団から、「持っても数ヶ月の命である」と宣告されたのです。

 退院後まもなくクリニックを夫婦で訊ねてこられ診察しました。
 Bさんは「何で手術をしてガンを取り去った私が、小さなクリニックに来なければならないのか?」という不満と疑念に満ちた顔でした。
 本人には、「せっかく腫瘍を除去したもらったのだから再発防止に」ということで、生姜、朝鮮人参、ニッキ、当帰(とうき)、川芎(せんきゅう)など体力をつけ、身体を温めてくれる十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)という漢方薬を処方しました。
 また、腹部及び、右季助部(みぎきろくぶ)(右上腹部の肝臓の場所)に、生姜湿布とビワ葉温灸を一日2回、朝夕やるように奥さんに指示しました。

 その後、すでに5年を経過しましたが、Bさんは体力、気力ともにますます横溢(おういつ)し、会社では「Bさんが一番元気だ」といわれているといいます。
 手術をした大学病院では、退院後の定期検査で担当医がエコー(超音波検査)をやるたびに「おかしい、おかしい」と区部をひねっているそうです。 というのも、Bさんの腫瘍が小さくなってきているからなのです。
 腫瘍とは固まりのことです。 水を冷やせば小売になるように、腫瘍(ガン)、子宮筋腫など硬くなる病気は、すべて熱からきていると考えていいのです。
Bさんは、内(内臓)外(皮膚)から徹底的に身体を熱することで、原発性肝臓ガンを縮小させ、いまは健康でガンと共存している状態なのです。


 「ガン細胞は熱せられると死滅する」

 北海道の札幌から受診にこられた62歳の女性の患者、Oさんは、大腸がんの手術後、ガンが肝臓と杯に転移している状態でした。 現代医学では、化学療法と放射線療法がありますが、どちらも体力を落とすのでしばらく様子を見ようと主治医に言われ、何かいい治療法はないかと相談にきたのです。大腸がんは、いま増えている欧米型のガンの代表で、肉、卵、牛乳、バター、マヨネーズ、クリーム類などの動物性脂肪の摂りすぎと、便秘が重なることが原因とされるガンです。
 「北海道は酪農製品が多いので、きっと肉、卵、牛乳、バターなどたくさんお食べになったでしょうね」とOさんに尋ねると、
 「いいえ、私は肉などめったに食べません。好物は野菜に海藻、豆類で、時々魚を食べるくらいです」との答え。
おかしいなと思いつつ「それではひどい便秘をされますか」と聞くと、「いいえ若いころから下痢ばかりです」というのです。
予想に反する答えばかりででしたが、同行されていたご主人が「家内は、寒いときにも冷たいビールやジュース類、それに、冷たい氷を口に入れてバリバリかんでいるのですよ」と教えてくれました。 これで納得ができました。

 身長155cm、体重65㎏の色白で小太りのこの女性は、陰性体質です。 そのタイプの人がビールやジュース、氷を多量に摂ると、身体を冷やし下痢をするのは当然であり、この「冷え」が発ガンの原因です。
 水を冷やすと氷という硬い物質に変わります。 ガンも同じように硬くなる病気、「冷え」の病気なのです。

 その証拠に、ガン細胞は39.3℃異常に熱せられると死滅すると言われています。
 実際、第二次世界大戦前、イタリアのポンティン沼という沼の周辺の住民がガンにかからなかったという事実がありました。
それも、この沼にはマラリアを伝染する蚊がたくさんいて、住民の多くがマラリアにかかり高熱を出していたためです。 その後、この沼を埋め立てたところ、マラリアは減ったのですが、ガンが増えたというデーターがあります。

 Oさんにこうしたお話をし、体を温める陽性食品を十分に食べること、疲れない程度の散歩、入浴で身体を温めること、肝臓や肺のある場所に生姜湿布やビワ葉温灸などを毎日施すことをすすめました。

 (14) 高血圧もまず「冷え」を疑う! 

 長身の人はとくに下半身の「冷え」に要注意

 Sさんは42歳の会社員。 数年来の高血圧(とくに下の血圧が高い状態)で、調子が悪いと 180/120mmHg くらい、調子がよい時で 160/100mmHg くらいの数値が出ています。 ちかくの医師に降圧剤を処方してもらい、1年くらい様子を見てもまったく治る気配がありません。 それまでSさんは軽いジョギングをしていましたが、タンパク尿も出るということで、医師から運動も禁じられていました。
 血圧が高くなるときは、決まって足が冷えてワーッと頭のほうへ血が逆流してくるような感じになり、いつ測っても、朝方に血圧が高く、夕方や身体を動かした後に低くなるという。 普通の血圧の人とまったく逆の現象があるのです。

 どうしても調子が悪く、思い余ってクリニックにやってきたのです。

 拝見すると、髪の毛も多く、色白で、漢方でいうところの陰性体質です。
 下半身が冷えると、そのぶん血圧も熱も上半身に集まり、のぼせの原因にもなりますし、上半身の上腕で測る血圧は当然上昇します。 朝方に血圧が高いのも、朝は気温も体温も低く、心臓より遠い場所にある下肢は冷えているので、血が上半身に集まっており、血圧は高くなります。 身体が動いている日中は手や足に血がよく行き届き、上半身の血も四肢に分配されますので血圧は下がります。 運動後も全く同様です。
 したがって、本当の高血圧ではなく、冷え、のぼせの高血圧と考えます。

 女性の高血圧はほとんどすべて、この理論で説明できるものです。 男性の場合は聴診で下半身の冷えるタイプの人におこりやすいのです。 だから、これまで続けていたジョギングも十分に続行し、入浴のとき下半身に冷水を浴びせた後に浴槽に入りそれを繰り返すこと(温冷浴=下半身の血行がよくなります)、とにかく下半身の血行をよくするため、十分な運動をすること、入浴では腰から下だけ浴槽につかる半身浴、また、おんれ浴を続けることと説明し、薬なしで3ヶ月様子を見ました。
 すると、血圧は 140/84mmHg まで下がり、以後は安定するようになりました。

 (15) 冷え症が高脂血症をつくっている! 

 コレステロール、中性脂肪は温めて大いに燃やせばいい

 150cmで45㎏のやせ型、50歳の主婦、Y美さんが検診を受けたところ、赤血球、白血球、肝機能、腎機能などにはまったく異常はないのですが、血液中のコレステロールと中性脂肪が高い(高脂血症)という結果が出ました。

 クリニックでお話をいろいろ聞くと、Y美さんは、典型的な冷え症で下痢症。 冬は手足が冷える上にしもやけ、あかぎれまででき、夏でも冷房は大嫌いだそうです。 そして、少し水分の多い食べ物を食べるだけでも下痢をしてしまいます。 トマトやコーヒーでもだめという下痢症なのです。 自然医学的には、答えは簡単です。

 「奥さん、昔のカマドを覚えていますね。 石油ストーブでもいいですよ。
  カマドに石炭を、ストーブに石油を入れて火をつけると、石炭や石油は燃えますね。
  でも、火をつけなかったり、せっかく火をつけても、水をかけたら燃えずに石炭や石油は残りますね。
  身体のエネルギー源になっているのは、コレステロールや中性脂肪、つめり、石炭や石油のあたるものです。
  冷え性ということは、こうした燃料が身体の中にあっても十分火で燃やしていないため、燃料が残っている状態です。
  それが高脂血症です。 おわかりでしょう」

というと、不安そうだった顔が見る見る明るくなり、納得の表情に変わったのでした。

  ● 毎朝、毎夕に生姜湯を1~2杯ずつ服用すること。
  ● みそ汁、しょうゆ、メンタイコ、チリメンジャコなど、塩分の濃い食べものも十分に摂ること。
  ● 毎日、散歩すること。
  ● 入浴は十分に長く、できれば自然塩を入れて保温に努めること。

などを実行してもらったところ、約6ヶ月後には 270mg/dl あったコレステロールが 210mg/dl に、 300mg/dl あった中性脂肪が 160mg/dl に減少し、下痢もしなくなり、大変快適になったのです。

 (16) 身体に水がたまるから「むくみ」が生じる 

 K子さんの「むくみ」が一掃された理由

 65歳のK子さんは年齢よりもうんと若々しく、しかも、現役で小さな会社も経営されているのですが、疲れがたまったり、顔、手や下肢がむくみ、便秘になってくると訴えます。
 総合病院で検査をしても、心臓、腎臓ともに正常で、血液中のタンパク質も十分にあり、むくみの原因は見つからないということでした。

 知人の紹介でクリニックを訪れたので診察すると、血圧は 110/70mmHg と年齢にしては低く、朝方も何かボーッとしていて、昼から夕方にかけて元気が出るとのこと。 いわゆる低血圧症です。 体温も36℃と低い。 つまり、新陳代謝が悪いのです。
 目次のページの図で「冷え」「水」「痛」の関係はすでに説明しましたが、冷えると水の代謝、つまり、水分を排泄する力が弱くなるので、どうしても身体に水がたまります。それが即ちむくみなので、身体を温めるよう次の指示をしました。

  ● サウナに週2~3回入ること。
         (これまでも、サウナに入った後は、むくみも取れスッキリしていたという)
  ● 生野菜、果実、サラダ、酢の物など、身体を冷やす食べ物の摂取は極力避けて、
     むしろ、塩の利いたみそ汁、漬け物、メンタイコ、チリメンジャコなども欲しい時はしっかり摂り、
     食べ物から身体を温める。
  ● 朝の散歩は欠かさずやること(一日20~30分)。
  ● 下腹部や背部の腎臓のある場所には、保温する器具(カイロや温湿布)を当てること。

 K子さんは、これらのことを守ることで尿の回数も1回の量も増え、4ヶ月後の現在は、よほどのことがなければむくむことはなくなりました。

  (17) 顔やせを実現するこの「冷え取り」効果!
 
 「小顔」になる二つの習慣

 氷をビニール袋に入れて、手で吊り下げたときを考えてみてください。こうすると、ビニール袋の下のほうがふくれるように、
体内に水分が多い人は、身体の下方がふくれます。
 とくに女性は男性に比べ筋肉量が少なく、脂肪と水分が多いので、身体全体の場合は下肢が、胴体だけ診た場合は腰や尻が水ぶくれ(むくみ)になりやすいわけです。
 顔も同様です。 頬(ほお)から下あご、それに首にかけてがむくむくと顔がふくれ、なんとなくしまりがなくなります。 これも血行をよくしてやればむくみの解消になるので、マッサージや指圧をすると、かなり効果があります。

 両手のひらで顔をまんべんなく軽くマッサージをしたり、両手の人差し指、中指、薬指の三本の腹側で、額から上あご、頬、下あご、首と軽く指圧し、パッと離す、ということを繰り返す方法です。
 こうすると血行がよくなり、鏡で見てもすぐわかるほどに顔がしまってくるものです。 最低一日2回、できればそれ以上やる習慣をつけましょう。
 それに、日ごろ食べ物をよく噛む習慣をつけることも小顔をつくる秘訣です。 50㎏以上のかむ力があるあごの筋肉が鍛えられて血行がよくなり、脂肪とむくみ(水分)を燃焼して排泄することが出来るからです。


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